○●○ シトリン*黄水晶***もうひとつの11月の誕生石 ○●○
 
(メールマガジン『月のしずく』2005.01.17号 記載)
 
 
◆   お  ひさまの光を
あつめて束にしたような

こっくりとした 黄金色の石 シトリン


オレンジの花からあつめた
はちみつの金色

すばらしい透明感をもち
レモンクォーツよりも深みがあり
トパーズよりも優しい輝き

時折見せる 色むらさえもいとおしい


たんぽぽ色の宝石。

    *  *  *

  和  名は、「黄水晶」。
その名の通り、黄色や黄金色を特徴とする
「水晶の一種」です。

無色透明な水晶に、
ほんの少しの鉄分が混じり、
鮮やかな黄色になりました。

語源は、フランス語でレモンを表す
「シトロン-citron」からなり、
アメリカでは、トパーズとならぶ、
もうひとつの11月の誕生石。

 
和 名>
黄水晶
硬 度>
7(モース硬度)
屈折率>
1.54〜1.55
比 重>
2.65
主産地>

ブラジル、マダガスカル、
アメリカ、スイス、
オーストラリアなど

色 >
黄色
宝石ことば>
輝き、生命力

 
 

    *  *  *

  レ  モンの宝石といえば、
わたしがまっさきに思い浮かべるのは、
高村広太郎作 『智恵子妙』の「レモン哀歌」なかの、
「トパーズ」です。

「トパアズ色の香気・・・」に、
少女心をときめかせておりました。

(詳しくは、
HPの「宝石のお話」の「トパーズ」の項をご参照ください
http://natsuki.to/story/story.htm

実際には、「トパーズ」よりも、
この「シトリン」の方が、
レモンと呼ぶにふさわしい色味の石だと思われますが、
光太郎の時代には、
まだまだ、トパーズの方が注目されていたのでしょう。

「シトリン」が、今日のように、
そのままの姿、ありのままの明るい色合いが、
人々に愛され始めたのは、
20世紀も末になってからなのですから。

そうなのです。
「シトリン」の魅力は、ごく最近になってから、
認められたのでした。

それ以前は、
宝石商たちに、「シトリン・トパーズ」などと
勝手なフォールスネームで呼ばれ、
黄玉「トパーズ」の代用品とされてきました。
なんともありがたくない、不名誉な名前です。

「シトリン」には、「トパーズ」にはない、
明るい爽やかさがあるというのに。。。

「トパーズ」が、「憧れの上級生」だとしたら、
「シトリン」は、いつも悩みを聞いてくれる、
「頼れる、明るいクラスメイト」といったところでしょうか。

「トパーズ」のような「劈開性(へきかいせい:
ある方向へ力を加えるとパカッと割れる性質)」を持たず、
高度が7と軟らかく、加工しやすいのも、
「シトリン」の魅力です。

       *  *  *

  色  味は、
蜂蜜のような黄金色、褐色がかった黄色、
レモンのようなさわやかな明るい黄色、
夕焼けのような、赤みを帯びた黄色(オレンジ色)など。

その色合いから、
「太陽の石」ともいわれた「シトリン」ですが、
太陽と言っても、
日本の日の丸の燃えるような赤とは違い、
欧米でいうところの
「サンライズ・イエロー」といったところでしょうか。

宝石好きで名高い、宮沢賢治も、この石を、
「日が傾きかけた、
まだ夕暮れとまではいかない明るさの空の色」や、
「明けたばかりの空の色」に例えています。

    *  *  *

  産  地は、
そのほとんどがブラジル産のものが多く、
マダガスカル、スイス、スリランカ、チリ、メキシコ、
アメリカ、オーストラリアなども。

天然に産出される「シトリン」は少なく、
もっぱら「アメシスト(紫水晶)」を加熱することで得られる
「シトリン」がつかわれています。

この処理は、色を改変するほどのものではなく、
色調を変えるのみなので、
「エンハンスメント(改良)」とよばれ、
一般に広く容認されています。


※ オパール(黒変)やジルコン(ブルー)などのように、
本来の色を改変するほどの処理は、「トリートメント(改変)」とよばれ、
「処理石」として、はっきりと区別して扱われます。

アメトリン
アメシスト×シトリンの
バイカラーの水晶

 

 
   
 

    *  *  *

  石  言葉は、「生命力」「輝き」など。

陽気で快活な、生命力に溢れた、
勇気と自信を与えてくれる石なのです。

意欲的な気持ちで手にすると、
全身にエネルギーが注ぎ込まれ
集中力をが高まるのだとか。

災いを跳ね除けて、迷いや悩みを解消してくれたり、
また、心身をはつらつとさせる、
「若返りの石」でもあるそうです。

「繁栄の石」ともいわれ、
富を引き寄せ、豊かさをもたらすといわれています。

内気な人や人前で緊張しやすい人の
背中をそっと後押ししてくれる、
そんな存在の石なのです。


 
  〜シトリンをつかったジュエリー〜

*<金色の夢>
 K18ネックレスピアス
 K18&K14WG(ホワイトゴールド)ネックレス

*<クールビューティ>
 K18ネックレスピアス
 K18&K14WG(ホワイトゴールド)ネックレス
 K14WG(ホワイトゴールド)ピアス
 Ptピアス

*<スクエア・ライン>
K18ネックレス&ピアス
 ただいまカタログ・リニューアル中です。。。
 今、しばらくお待ちくださいませ。

*K18WGブルートパーズ・シトリン
<Dawn〜夜明け> ピアス
http://natsuki.to/catalog/WG-152-1-p.htm



    *  *  *

  使  用上、注意することは、
どの宝石においてもそうですが、
基本的に「衝撃」を加えることを避けること。

そして、「紫外線」です。
長時間日光に当たるようなところや、
強い照明の下に保管するようなことは、必ずお避けください。
「褪色」、あるいは、「変色」の原因にもなりかねませんので。

せっかく出会えた石なのですから、
少しでも長く、美しく、あなたを彩れますように。。。



 
 
   
  ◆ お手入れ方法
 ヘアスプレーや汗などにも強く、比較的扱いやすい石なのですが、強い衝撃を加えると割れることがあります。気をつけてください。

また、紫外線に長い間さらされたままになっていると、褪色あるいは変色の恐れがあります。
日光が当たる場所や強い照明下に放置する事は、避けてください。

せっかくの美しい輝きが損なわれるので、やはりお手入れはこまめにしましょう。
身につけて汗やあぶらが付着したら、すぐに軽く水洗いし、柔らかい布でよく拭き取りましょう。
◆ 保管方法
1. 他のジュエリー同様、保管はひとつひとつ布でくるむか、小分けにして保管するのが望ましい方法です。

よく見かける『チャック付きビニールパック』などに小分けしてもいいでしょう(イヤリング、ピアスも片方ずつ入れる)。

2. 直射日光や強い照明の当たる場所での保管はいけません。

3. お手入れの後は、よく乾燥(自然乾燥)させてから保管ください。

 
           
誕生石 - Birth Stone -
1月 ガーネット
2月 アメシスト
3月 アクワマリン
4月 ダイヤモンド
5月 エメラルド
翡翠
6月 真珠
ムーンストーン
7月 ルビー
8月 ペリドット
9月 サファイヤ
10月 オパール
11月 トパーズ
12月 トルコ石





〜以上、メールマガジンの発行とともに、随時更新致します〜

時節や新作の石たち、
デザイナーのそのときのお気に入りの石などを、 、
今後もご紹介させていただきたいと思っております。

※ 取り上げて欲しい宝石のリクエストなどございましたら、
お気軽にお寄せくださいませ♪



参考文献;  topページに記載