○●○ ガーネット***1月の誕生石 ○●○
 
 
(メールマガジン『月のしずく』2001.01.18号 記載)
 
         
 

<アルマンディン・ガーネット>
 
◆  ガ  ーネットと聞いて、
貴方は何色を思い出しますか?

ワインのような深い赤、
ルビーのように鮮やかな深紅、
それとも、ピンクがかったローズ・レッドでしょうか?

いずれも赤系の色が多いことでしょう。

    *  *  *

 ガ  ーネットの語源は、
ラテン語で「ざくろ」を意味する「pomum granatum」。
和名でも「柘榴石(ざくろいし)」です。

ぱっくりと口を開けた、禍禍しいほどに赤い血のような粒。
地中深く埋まっている、ガーネットの原石の様子と、とても良く似ています。

そこから名づけられたでしょう、
ガーネットの代表的な色は
もちろん、その名前の由来である「ざくろ色」(紫みの赤)ですが、
実は、驚く無かれ!
マンダリンオレンジのような美しいオレンジ色やコニャックカラー、
果ては、翡翠のような半透明の緑や明るいエメラルドカラー、
ゴールデン、イエローまで、実にさまざまな色があるのです。

そう、ガーネットとは、
14種類もの鉱物の総称。40種類もの色を持つ」もの
なのです。

今日は、そんなガーネットの素敵な色と名前をご紹介します。

 
 
和 名>
柘榴石
硬 度>
7.5〜7(モース硬度)
屈折率>
1.73〜1.81
比 重>
3.6〜4.2
主産地>

インド、ブラジル、スリランカ、
マダガスカル、パキスタン、
南アフリカ、アメリカ、チェコ、
タンザニア、オーストラリア、
ケニア、ジンバブエ、インド、
ミャンマー、ブラジル、ロシアなど

色 >
深紅色、ピンク、紫、赤、暗赤色、オレンジ、金、黄、褐色、緑
宝石ことば>
貞操、真実、友愛、忠実、 権力、勝利、優雅

 
 

   *  *  *

 夕  焼けのように懐かしいは「アルマンデイン」。
(全て語の最後に「・ガーネット」がつきます)

落ち着いた深い深い赤で、
最も古くから広く愛用されてきた石です。
アンティークジュエリーにも、多く使われています。
1月の誕生石としても有名な石ですね。

産地は、インド、ブラジル、スリランカ、マダガスカル、
パキスタン、プラジル。

モース硬度は、71/2(7と1/2)。屈折率は1.78〜1.82。

    *  *  *

 ル  ビーと見まごうばかりの深紅色は「パイロープ」。
色みが似ているため、しばしば混同されたとこも・・・。

その鮮やかな赤は燃える炎を思わせます。

産出が少ない石ですが、
産地は、南アフリカ、アメリカ、チェコ、タンザニア、
オーストラリア。

南アフリカ産の最高のものは「ケープ・ルビー」と
呼ばれる事もあります。

モース硬度は同じく、71/2(7と1/2)。屈折率は1.74〜1.75。

    *  *  *

 紫  を含んだ濃いピンク、ローズレッドの「ロードライト」は、1880代になって発見されました。

近年人気のガーネットですが、
実は「アルマンデイン」と「パイロープ」の中間的タイプなのです。

産地は、タンザニア、ケニア、ジンバブエ、マダガスカル、
アメリカ、スリランカ、インド。

モース硬度は同じく、71/2(7と1/2)。屈折率は1.75〜1.78。

    *  *  *

 マ  ーマレードみたいな綺麗なオレンジ色は、「スペサルティン」。

「スペサルティン」は、
それまであまり宝石としては知られていなかったのですが、
90年代に入って、
この美しいオレンジ色のほぼ純粋なタイプが発見されて以来、人気が出ました。

元気が出そうな、ポップなキャンディカラー。
ぜひ、手に入れたい魅力的な色です。

産地は、マダガスカル、タンザニア、ケニア、スリランカ、
ミャンマー。

モース硬度は、71/4(7と1/4)。屈折率は1.79〜1.81。


以上の赤色系のガーネットには、
各種の中間タイプが存在します。
コニャックカラーの「マラヤ」とよばれる石もそのひとつです。

高価なアレキサンドライトと間違われる、
変色性を示すガーネットもこの系列の中間タイプなのです。


- ロードライト -


- パイロープ・アルマンダイン -

     *  *  *

 一  方、緑色のガーネットもとても魅力的です。

 翡  翠とよく似た半透明緑の「グロッシュラー」は、
ゼリーのような、羊羹のような不思議な光沢を持っています。
ぷるるんと今にも揺れそうな・・・。

けれど、このガーネットが人気が出たのは、
1970年頃にケニア&タンザニアで発見された、
透明なグリーンの登場によってでした。
ツァボライト」のネーミングを持つこの石は、
やや淡いエメラルドにも似た美しい緑色をしています。

透明な「グロッシュラー」には他に、
ゴールデンイエローオレンジがあります。

この透明な「グロッシュラー」の中でも
特に区別されているのは、褐黄色褐赤色の「ヘソナイト」。
非常に特徴的なインクルージョン(内包物)を持っているため、他のグロッシュラーとは区別されています。

「グロッシュラー」の産地は、ケニア、タンザニア、パキスタン。
「ヘソナイト」の産地は、スリランカ、ブラジル、ロシア。

モース硬度は共に、7。屈折率は1.73〜1.75。

   *  *  *

 ガ  ーネットの中で私が最も注目している「デマントイド」は、
ペリドットにも似た明るい若葉色のなかに(ペリのように茶は混じっていませんが)
浮かび上がる虹色のファイアが特徴です。

そのまばゆいばかりの華やかな輝きに、
思わず目を奪われ、惹きこまれてしまてしまいます。

いつか手にしたい一品なのですが、
稀産とされ、以前からコレクターの間では垂涎の的だったそう。
お値段の方も、非常に高価なのです。

    *  *  *

ガーネットは、ダイヤモンドと同じ等軸晶系に属し、美しい輝きを持つ、
比較的扱いやすい石なのですが、衝撃には弱いようです。
気をつけてくださいね。
もっとも、衝撃に強い宝石などそうないことでしょう。



 
   
  〜ガーネットをつかったジュエリー〜

*Ptガーネット<sphere〜スフィア>ネックレス&ピアス

*K18ガーネット<drape〜ドレープ>ピアス

*18ガーネット&淡水パール(ナチュラルピンク)
  <romantic*2> ピアス

*K18珊瑚&ガーネット<人魚の姫君>
ネックレス&ピアス


*K18ガーネット&淡水パール<蝶リボン>
ネックレス&ピアス
 ただいまカタログ・リニューアル中です。。。
 今、しばらくお待ちくださいませ。

    *  *  *

石言葉は、貞操、真実、友愛、忠実、権力、勝利、優雅。

色と同じく、石言葉もたくさんありますね。

疲れているときに身に着けると、元気になる石だとか。
ヒーリング・パワーを秘めているのでしょうか。

ルビーのように攻撃的、積極的な石ではなく、
どちらかというと受身の癒しの石なのかもしれません。

まさに、今の時代にぴったりな、そんなガーネット
貴方が惹かれるガーネットはどんな色ですか?





 
 
   
  ◆ お手入れ方法
 ヘアスプレーや汗などにも強く、比較的扱いやすい石なのですが、強い衝撃を加えると割れることがあります。気をつけてください。

石自体は強いとはいっても、
せっかくの美しい輝きが損なわれるので、
やはりお手入れはこまめにしましょう。
身につけて汗やあぶらが付着したら、すぐに軽く水洗いし、柔らかい布でよく拭き取りましょう。
  ◆ 保管方法
1. 他のジュエリー同様、保管はひとつひとつ布でくるむか、小分けにして保管するのが望ましい方法です。

よく見かける『チャック付きビニールパック』などに小分けしてもいいでしょう(イヤリング、ピアスも片方ずつ入れる)。

2. お手入れの後は、よく乾燥(自然乾燥)させてから保管ください。
 
           
誕生石 - Birth Stone -
1月 ガーネット
2月 アメシスト
3月 アクワマリン
4月 ダイヤモンド
5月 エメラルド
翡翠
6月 真珠
ムーンストーン
7月 ルビー
8月 ペリドット
9月 サファイヤ
10月 オパール
11月 トパーズ
12月 トルコ石





〜以上、メールマガジンの発行とともに、随時更新致します〜

時節や新作の石たち、
デザイナーのそのときのお気に入りの石などを、 、
今後もご紹介させていただきたいと思っております。

※ 取り上げて欲しい宝石のリクエストなどございましたら、
お気軽にお寄せくださいませ♪



参考文献;  topページに記載