○●○ ペリドット***8月の誕生石 ○●○
(メールマガジン『月のしずく』2000.08.18号 記載)
   
 







◆  樹  木の梢をわたる
爽やかな森の風
木の葉の間から漏れる、木漏れ日の色
妖精たちの、無邪気なおしゃべり

無邪気な輝きの中にも、品の良さを感じさせる、
木漏れ日色の宝石。

ペリドット-8月の誕生石」。

オリーブ・グリーンから
ライム・グリーンにいたる色合い、
オイリーな光沢

私の大好きな石のひとつです。

    *  *  *


  ど  こまでも軽やかな黄緑色、
こっくりとした、オリーブ油のてり。

眩しいほどのオイル・グリーンの輝き。
濡れたような美しさ。

和名の「かんらん石」は、
ここから来ているのでしょうか?

鉱物学的には、
オリビィン」という鉱物に属するペリドット

オリビィンとは、和名で「かんらん石」のこと。
「かんらん」とは「オリーブの誤称」で、
「オリーブのこと」を指したそうです。

厳密に言えば、
ペリドットは、
かんらん石のなかでも透明なもの
のことだそう。

地中の奥深く、
想像も出来ないくらいの
高温・高圧の中から生まれる石。

上質のペリドットは、
宙から降ってくる隕石のカケラという説があるとか。
隕石もペリドットと同じ、
高温・高圧の中から生まれる。

だから、ペリドットは隕石のカケラなの?

 
 
和 名>
かんらん石
硬 度>
6.5〜7(モース硬度)
屈折率>
1.65〜1.70
比 重>
3.22〜3.45
主産地>
ミャンマー、スリランカ、ブラジル、
アメリカ、メキシコ、ロシア、
ノルウェー、フィンランド、
ケニア、エジプト、オーストラリア
色 >
黄緑色〜褐緑色
宝石ことば>
幸福、なぐさめ、和合




 
   
 
 

         * * *

  つ  いこの間まで、
メジャーな宝石ではなかったので、
(子供の頃、
8月の誕生石といえば「赤しまのめのう」でした)

「最近発見された石なの?」
と思われがちですが、
実は、歴史はとても古く
意外にも、由緒正しい「ペリドット」。

紀元前3世紀には、
エジプト王家に「トパーズ」の名で献上されたとか。
(現在の「トパーズ」とは別で、
当時は、ペリドットのことをこうよんでいました)

何故「トパーズ」だったかといえば、
歴史上で有名な
ペリドットの産地である、「セント・ジョン島」は、
常に霧に包まれていて、
たどり着くのが困難であったことから、

ギリシャ語の「捜し求める」を意味する、
「トパゾス」topazosに由来して、
昔はこの石をトパーズと呼んでいたのだとか。

他には、
『旧約聖書』の「ヨブ記」に、
エチオピアのトパーズ」としてあらわれます。

「出エジプト記」では、
イスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた
12種類の宝石のひとつとして。

キリスト教では、
「ヨハネの黙示録」に登場し、
聖都であるエルサレムの城壁の土台を飾る、
12の宝石のひとつにもなっています。

この12種類の宝石たちは、
現代の誕生石の基礎(ルーツ)にもなっています。

よってイギリスでは、
ペリドットが8月の誕生石とされています。

日本でも、最近はもっぱら、
ペリドットが「8月の誕生石」の主流となっています。


         * * *

  産  地は、
ちょっと前までは、
熱帯の島「ハワイ」の名産とされていましたが、
最近はあまり採れず、
アメリカ・アリゾナ産、ミャンマー産、ノルウェー産、
オーストラリア産などなど。

ミャンマー産のは、
大粒でオリーブ・グリーンの濃い色が、

ノルウェー産のは、色はそれよりも淡く、
透明度の優れた鮮やかなのが特色とか。




         * * *

  購  入する際には、
色を重視する石なので、
少しでも茶色がかったのは選ばないこと。

良い石にはオイリーな光沢があると、
私は個人的に思います。

若い人が大きなものを付けても、
いやみにならない、そんな石。

どっかから借りてきたの?なんて思われない、
不思議にしっくりと馴染んでしまう。

大き目のものでも、比較的価格が低いので、
ジュエル(宝石)としての購入する時には、
可能な限り大きなものを、ぜひお求めください。

でも、一番のポイントは、
あくまでも色と輝き!

好みの問題でもありますが、
金(ゴールド)との組み合わせが、
色合い上も、
石のパワーを最大限に生かすためにも良いとされ、
私もそう思います。

         * * *

  ちょ  っと変わっていることと言えば、

夜の、ほの暗い照明の下では、
昼の無邪気さとうってかわって、

驚くほどの高い輝きと、
美しくも妖しい、
ボトル・グリーンの色合いをみせること。

イブニング・エメラルド」の
異名(フォールス・ネイム)を持ちます。
フォールス・ネイムのお話はまた次の機会に・・・)

夜昼、別の顔が楽しめる石。

少女の無邪気なきらめきと、
成熟した大人の女性の妖しい輝き。

この石がお気に入りの理由のひとつでもあります。

エジプト・ロシア・大英帝国で、
王冠に輝いていた石。

なかでもロシア皇帝の王冠に輝いたのは、
192.75カラットもあったとか。

ぜひ見てみたいものです。
さぞかし、目もくらむような、
眩しいばかりの輝きだったことでしょう。

きらめく、緑色のペリドットは、
王様の神々しさにも一役かっていたことと思われます。

 
 




〜ペリドットを使ったジュエリー〜

*Ptペリドット
  <rock candy stick>ネックレス&ピアス

*K18ペリドット
  <スウィングボール>ネックレス・ピアス←SOLD OUT!!







    *  *  *

  石  言葉は、「幸福・なぐさめ」。

予言者「レノーラ・ヒュイット」によると、
「物事をはっきりと見なおし、
問題を解決させる力がある」とか。

ただ、「心の澄んだ人、心の軽やかな人」
に響く石なので、
「人生に深く行き詰まった人、
思い悩み心沈んだ人」には、良さが見出せないそう。

この石の良さを理解するのに必要な、
「デリケートな波動」が、感じられないのだとか。

そういう方にこそ、
ペリドットの明るさが必要だと私的には思われるので、
とても残念です。

この石を欲する人は、
世界の平和を望んでいるといわれています。

なんだかスゴイ石ですね。

天真爛漫で、
無邪気な平和主義者といったところかしら?

太陽の石ともよばれ、
暗闇をはねとばし、悪魔を退散させる。

そのパワーは、
心の闇までも払い飛ばしてくれるそう。

太陽の石、ペリドットの元気パワーで、
貴方の憂鬱を吹き飛ばして!



 
 
 
 
◆ お手入れ方法

 劈開を生じる石のため、
(結晶において一定方向にパカッと平滑に割れる)

強い衝撃を加えると割れることがあります。
衝撃には、気をつけてください。

また、比較的柔らかい石なので、
長期間使用していると、
ファセット・エッジの摩耗が起こったりも・・・。
(輝きを生み出す、カットが削れてしまうのです)

超音波洗浄機の使用も、避けたほうが無難です。
(「エメラルド←絶対に駄目」ほどの危険まではいきませんが)

に対しても、パールほどではありませんが、
注意が必要です。
加工の際にも、
表面が荒れて曇ってしまう事故もあるそうです。

身につけて汗やあぶらが付着したら、
すぐに軽く水洗いし、柔らかい布でよく拭き取りましょう。


◆ 保管方法

1. 欠けやすい石なので、
硬いものとの接触を避けて、

保管はひとつひとつ布でくるむか、
小分けにして保管するのが望ましい方法です。

よく見かける「チャック付きビニールパック」などに小分けしてもいいでしょう(イヤリング、ピアスも片方ずつ入れる)。

2. 汗・化粧品・ほこりなどは、
ジュエリー&アクセサリーの汚れる原因のひとつです。

特にには注意の必要なペリドットは、

汗をかいた後には、軽く水洗いし汚れを落として、
タオルなどでやさしく水気をふきとり、
よく、自然乾燥させてから保管ください。





 
         
誕生石 - Birth Stone -
1月 ガーネット
2月 アメシスト
3月 アクワマリン
4月 ダイヤモンド
5月 エメラルド
翡翠
6月 真珠
ムーンストーン
7月 ルビー
8月 ペリドット
9月 サファイヤ
10月 オパール
11月 トパーズ
12月 トルコ石





〜以上、メールマガジンの発行とともに、随時更新致します〜

時節や新作の石たち、
デザイナーのそのときのお気に入りの石などを、 、
今後もご紹介させていただきたいと思っております。

※ 取り上げて欲しい宝石のリクエストなどございましたら、
お気軽にお寄せくださいませ♪



参考文献;  topページに記載