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○●○ コーラル*珊瑚***もうひとつの3月の誕生石 ○●○
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(メールマガジン『月のしずく』2003.10.25号 掲載)
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◆ 「海 の植物が、空気に触れて宝石になった」
(実際には、珊瑚は植物ではないのですけれど)、
といわれる、 珊瑚は、
身に着けると、心を落ち着かせ、
リラックスすることができる、と信じられてきました。
また、聖なる石とされ、
悪魔を退ける力があると考えられ、
護符としても用いられていたようです。
英名は、「コーラル-Coral」。
語源は、ギリシャ語のKorallionからなり、
日本では、アクワマリン、ブラッドストーンとならぶ、
「もうひとつの3月の誕生石」。
「コーラル*珊瑚」は、
数少ない、日本で産出できる宝石でもあります。
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和 名>
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珊瑚 |
硬 度>
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3.5〜4(モース硬度) |
屈折率>
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1.56〜1.57 |
比 重>
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2.65 |
主産地>
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南西太平洋海域、
地中海、日本近海など
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色 >
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赤、桃、白 |
宝石ことば>
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長寿、幸運 |
※ 日本・アメリカ・イギリスでは3月の、
フランスでは10月の誕生石。
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* * *
情 熱を色にしたような
真っ赤な血のような赤珊瑚。
ほんの少し黄味がかった、
紅色の紅珊瑚
天使の素肌のように 滑らかで美しい
淡いピンクの桃色珊瑚は エンジェルスキン
それよりもさらに 淡い淡い 白の
無垢な白珊瑚
つややかな漆黒の黒珊瑚や
金色の珊瑚は、
上の4つとは違う、別の種類。
通常の珊瑚の成分の炭酸カルシウムではなく、
コンキリオンというたんぱく質でできています。
そう、南の海に浮かぶ、
白いさんご礁と同じ種類になるのです。
一般に宝石とされる珊瑚は、
この2色(黒・金色)のみ、
さんご礁の浅瀬に浮かび、南の海を彩る、
六放珊瑚(触手の数が六本。主成分がたんぱく質)となり、
他の色は、すべて、
深海の海に沈む、
八放珊瑚(触手の数が六本。主成分が炭酸カルシウム)になります。
* * *
温 暖な海の、
ほとんどが、水深100m以上の深い海の底で、
枝状に群体となり、生活しているサンゴ虫たち。
300年以上の歳月をかけて育ち、
更に遥かな年月を経過して採取された多くの珊瑚の中から、
選らばれた、わずかな美しいもののみが、
宝石用となり、お手元に届くのです。
なんだか、ロマンを感じますね。
古代の地球に酸素をもたらしたは、
珊瑚だともいわれているとか。。。本当なのでしょうか
* * *
真 珠と同じ、炭酸カルシウムを主成分とする、
珊瑚は、有機質の宝石です。
つまり、酸には、とても弱いのです。
身につけて汗やあぶらが付着したら、
すぐに軽く水洗いし、柔らかい布でよく拭き取りましょう。
また、果物や、お酢、化粧品、アルコール類には、
充分注意してくださいね。
硬度は3.5〜4と軟らかいため、
加工がしやすく、さまざまな細工や彫刻が施されますが、
同時に、傷がつきやすいので、
取り扱いには注意が必要になります。
ジュエリーボックスで、他の宝石と触れ合うような収納は、
キズがつく恐れがありますので、しないでくださいね。
珊瑚は傷つきやすいデリケートな宝石なのですが、
再研磨が可能な宝石でもあります。
デザインされたものは難しいですが、
カボッションに磨かれた大粒の珊瑚には、
美しさが取り戻せる、ひとつの方法でもあります。
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遙 か紀元前、
それは、今から約3万年も昔のこと、
スイスのローザンヌ近郊にある、当時の遺跡から、
古代の人々が、お守りしたと思われる、
珊瑚のいくつかが、発見されたのだとか。
紀元前500年頃の、仏教の教典には、
極楽浄土は、
「七宝-全、銀、瑠璃、玻璃、珊瑚、蝦蚊、瑪瑙」の
七つの宝物で飾られているとあります。
古代ローマの詩人、オビディウスは、
「コーラルは海の中では海草のように柔らかく、ゆらゆらと揺れていて、
海岸にたどり着くと、空気との接触で、
ほんの少し前まで植物だったものが石となってしまう」
と、珊瑚の不思議を詠ったとか。
十字軍の戦士たちが、
負傷よけのお守りとして、
珊瑚を身につけて戦場に向かったという、有名な話もあります。
古代の人々の心を捉えた、
珊瑚は、ヨーロッパから、シルクロードを通り、
日本にも渡ってきました。
現存する、日本最大のサンゴが、
奈良の正倉院に保存されています。
けれど、珊瑚が一般庶民の中に、広く浸透したのは、
江戸時代に入ってからのことだそうです。
今でこそ、有名な日本産の珊瑚は、
幕末近くに、土佐沖で採取されたのがはじまりだとか。
しばらく、土佐藩は珊瑚のことを秘密にしていたので、
公に採取されるようになったのは明治以後のこと。
意外にも、近年の出来事なのですね。
* * *
珊 瑚は、古代から洋の東西を問わず、
人々の間で、愛され、用いられてきました。
古代ローマでは、子供のお守りとなり、
インドでは護符として、
そして中国や日本では
七宝の一つとして珍重されてきたといわれております。
結婚35周年は、珊瑚婚(THE CORAL WEDDING)で、
珊瑚のついたものをプレゼントする慣わしも。。。
また、航海を無事におわらせ、嵐を鎮める力があるとされ、
船乗りのお守りとしても、崇められたとか。
感情を鎮め、慈愛に満ちた心に
導く力があるとされています。
* * *
色 の世界にも、珊瑚は登場しています。
珊瑚色は、やや黄色がかったピンクをあらわし、
英語名はcoral(coral pink)、あるいはdeep yellowish pink。
珊瑚のように、鮮やかな、濃い美しい色です。
* * *
日 本では、血赤珊瑚に代表される、
濃い赤色が好まれている珊瑚ですが、
外国、特にヨーロッパでは、
エンジェルスキンとよばれる、つややかな淡いピンク色(本ぼけ)が、
愛されてきました。
品の良い、やさしいピンク色は、
デイリーに気負わず、身につけられる、
わたしも大好きな宝石のひとつです。
この珊瑚のピンク色は、
「日本人の肌を美しく見せる」ともいわれています。
夏の日焼けした肌には、
より白に近い、ごくごく淡いピンクが映えることでしょう。
ところで、
珊瑚は、子供の保護を連想させるそうです。
そのため、現代でも、
親が、子供の幸せを願い、贈る宝石となることも多いのです。
ヨーロッパでは、若い人に似合うとされるのも、
そんなことからでしょうか?
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〜珊瑚をつかったジュエリー〜
*K18珊瑚
<珊瑚の薔薇>ピアス
http://natsuki.to/catalog/g-76_1.htm
*K18珊瑚&ガーネット<人魚の姫君>
ネックレス&ピアス
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石 言葉は、長寿、幸運など。
色別には、
赤珊瑚は、身体を強く保ち、想像力と実行力を与え、
ピンク珊瑚は、純愛、忠誠、優しさの象徴。
白珊瑚は、奉仕の心を。
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身 に着けると、
なぜか、ほんのり温かな気持ちになる、
珊瑚は、とても身近な宝石なのです。
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◆ お手入れ方法(使用上の注意)
珊瑚は、有機質の宝石のため(鉱物ではない) 、
洗剤などの使用は変色の原因になることもあります。
ヘアスプレーや除光液、化粧品、汗・脂肪にも要注意です。
温泉や超音波洗浄機の使用も避けてください。
熱による乾燥にも要注意です。
熱湯や、暖房器具による直接温風など、日常の中での高温状態にも注意してください。
汗・化粧品・ほこりなどは、ジュエリー&アクセサリーの汚れる原因のひとつです。
汗をかいた後には、柔らかい布で丁寧に汚れを拭き取り、よく乾燥させてから保管ください。
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◆ 保管方法
1. 硬いものとの接触を避けて、保管はひとつひとつ布でくるむか、小分けにして保管するのが望ましい方法です。
よく見かける『チャック付きビニールパック』などに小分けしてもいいでしょう(イヤリング、ピアスも片方ずつ入れる)。
2. 直射日光や強い照明の当たる場所での保管はいけません。
3. お手入れの後は、よく乾燥(自然乾燥)させてから保管ください。
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