○●○ サードニクス***もうひとつの8月の誕生石 ○●○
(メールマガジン『月のしずく』2009.08.07号 記載)


◆ さ  まざまな色合い、
さまざまな太さ・デザインの、
美しい縞模様

じっと見つめていると、
なんだか心が浮きたち、楽しくなる。

まるでよろこびを表すかのような、
愛らしい石。

サードニクス-8月の誕生石」。

    *  *  *


  そ  の語源は、
サード」 と「オニキス」から来ており、
サードオニキスサードニクス

サードとは、褐色がかった赤を意味し、
古代リディア王国(古代のアナトリア半島:現在のトルコ)の首都サルディスSardis)を語源としています。

オニキスは「縞模様直線状になっているもの」をあらわし、
ギリシャ語の「「onux人の爪)」を語源としています。


和名は「紅縞瑪瑙赤縞瑪瑙」。

和 名>
紅縞瑪瑙、赤縞瑪瑙
硬 度>
7(モース硬度)
屈折率>
1.53〜1.54
比 重>
2.61
主産地>
インド、ブラジル、ウルグアイ、ドイツアメリカ、サウジアラビア、トルコ、南アフリカ、中国、など
色 >
赤と白の縞
宝石ことば>
幸せな結婚、
夫婦和合、夫婦の幸福

 


         * * *

  
  鉱  物学的には、水晶と同じく、
石英の一種である、
玉髄という鉱物に属するサードニクス

水晶が透明な石英であるのに対し、
玉髄は、半透明の石英です。

玉髄には、単純にいえば、
無地のものであるカルセドニー(玉髄)と、
主に縞のあるアゲート(瑪瑙)たち
(注:縞のない場合もあり。
他の変種が当てはまらないカルセドニーたちを指す)

二つに分けられます。

玉髄の意味で瑪瑙という変種名を使われることも多く、
これらはプロの間でもしばしば混同されている模様。。。

(※ 玉髄の代表、カーネリアンの項もご参照ください)


玉髄瑪瑙には、
古くから熱処理による加工が用いられている場合が多く、
古代ファラオの墓の副葬品にも熱処理された石があったとか。

もちろん自然のままの色合いのものもありますが、
どちらも一般に着色がおこなわれているそうです。
処理が完全であれば、退色などのおそれはまずない為、
これらは公認されているようです。


         * * *




  美  しい層状の縞目を持つ
サードニクスは、
オニキス同様、カメオインタリオの良い材料として、
古来より用いられてきました。

古代ローマ時代には、
アラビア半島や、インドから運ばれた、
サードニクスの縞模様を利用して、
職人により カメオに細工され愛用されていました。

カーネリアン同様、大変人気があり、
このころは、黒、白、赤の3つの層
があるものが良い石とされていたそうです。

ちなみに、
 黒は「謙虚さ」
 白は「美徳」
 赤は「勇気の象徴」
   をあらわすのだとか。

当時に作られたカメオインタリオたちは、
現在でも世界の博物館で見る事ができます。

これらカメオインタリオは、
その後の、アンティークジュエリーとしても、
おなじみですね。

キリスト教では、
新約聖書の「ヨハネの黙示禄」に登場し
「神の国の城壁を飾る12の宝石」
の中の5番目の石として、
サードニクスが記されています。

この12種類の宝石たちは、
現代の誕生石の基礎(ルーツ)にもなっています。


※ 余談: ヨハネの黙示録(新共同訳)
都の城壁の土台石は、あらゆる宝石で飾られていた。
第一の土台石は碧玉、第二はサファイア、第三はめのう、第四はエメラルド、第五は赤縞めのう、第六は赤めのう、第七はかんらん石、第八は緑柱石、第九は黄玉、第十はひすい、第十一は青玉、第十二は紫水晶であった。また、十二の門は十二の真珠であって、どの門もそれぞれ一個の真珠でできていた。都の大通りは、透き通ったガラスのような純金であった。



ち  なみに、
古代から中世にかけて愛用された、
この12個の宝石は、
現在のような意味の誕生石として
用いられてきたわけではありません。

つまりその月に生まれた特定の人が、
「季節にかかわらず、常に身に付ける宝石」
ではなかったのです。

古代より、宝石を身に着けるということは、
宝石の力を得ること、パワーを借りることであり、
その種類ごとに持つ、
病気の治癒や心眼成就の力でありました。

よって、月毎に、その月にあった宝石を、
ひとりの人が、かわるがわる身に着けていたものです。

宝石の持つ力が、
その宝石に割り当てられた月、
あるいは、その星座のときに
「最も強力に発揮される」と考えられたからです。

現代人でも真似したいような、
なんだか面白い&楽しい習慣ですね。




* * *

長  い間、
魔術や妖術から身を護ると考えられていた
サードニクスは、

身に着ける事で、知恵を増やし、
恐怖心をなくして勝利と幸福をもたらす。
悪夢を追い払い、
憂鬱を晴らしてくれるものと信じられていました。

褐色味を帯びた赤色またはオレンジ色に、
白い縞模様が層状に入ったこの石は、
ギリシャ神話によれば、
いたずら好きのキューピットが、
眠っているヴィーナスの爪を矢で切る遊びをしているときに、
インダス川に落ちた「爪の破片」が
サードニクス
になったのだとか。

語源である、
ギリシャ語の「「onux人の爪)」にも
なんだか通じるお話ですね。

ヴィーナスは愛と美の女神といわれています。

こんなエピソードからも、、
この石の石言葉が来ているのかもしれませんね。


石  言葉は、
幸せな結婚夫婦和合夫婦の幸福」。







〜サードニクスを使ったジュエリー〜

◆ SVサードニクス(紅縞メノウ)<JOY>ネックレスTOP
http://natsuki.to/catalog/S-153-1-n.htm


◆ SVサードニクス(紅縞メノウ)<サーモン>ネックレスTOP
 → sorry!! SOLD OUT







         * * *

  産  地は、
インド、ブラジル、ウルグアイ、ドイツ、
アメリカ、サウジアラビア、
トルコ、南アフリカ、中国、などなど。

         * * *

購  入する際には、
やはり、縞目が魅力の石なので、

くっきりとした美しい縞模様があるもの
赤やオレンジ地色とのコントラストた美しいもの

楽しい気持ちに慣れるような、
明るい、綺麗な色合いのものがよいのではないでしょうか 。

ふたつと同じもののない、
世界でただひとつの、
あなだだけの縞模様、 サードニクス

オンリーワン、唯一無二のこの石を、
ぜひ、手に入れてみてください。





◆ お手入れ方法

ほとんどすべての宝石と同様、
サードニクス紅縞瑪瑙、赤縞瑪瑙も、
衝撃はとても苦手です。
日常的な衝撃にも注意してあげてください。

汗・ほこりなどには比較的強いものの、
除光液などは、やや苦手です。
ネイルの手入れをするような場合には必ず外すなどして、
できるだけ避けたほうがよいでしょう。

身に着けたあとは、必ず、
柔らかい布かセーム皮などで優しく拭いてください。

どの宝石でも述べておりますが、、
モース硬度というものはあくまで目安です。
モース硬度が高くても、
決して、傷つかず大丈夫という意味ではありません。

他の宝石と同様、取り扱いには充分気をつけてください。


◆ 保管方法

 他の宝石と同様、保管には充分気をつけてください。

1. 硬いものとの接触を避けて、
ひとつひとつ布でくるむか、
小分けにして保管するのが望ましい方法です。

よく見かける、
「チャック付きビニールパック」などに小分けしてもいいでしょう(イヤリング、ピアスも片方ずつ入れてください)。

2. 汗・化粧品・ほこりなどは、
ジュエリー&アクセサリーの汚れる原因のひとつです。

汗をかいた後には、
軽く水洗いし汚れを落として、
タオルなどでやさしく水気をふきとり、
よく、自然乾燥させてから保管ください。



     
誕生石 - Birth Stone -
1月 ガーネット
2月 アメシスト
3月 アクワマリン
4月 ダイヤモンド
5月 エメラルド
翡翠
6月 真珠
ムーンストーン
7月 ルビー
8月 ペリドット
9月 サファイヤ
10月 オパール
11月 トパーズ
12月 トルコ石





〜以上、メールマガジンの発行とともに、随時更新致します〜

時節や新作の石たち、
デザイナーのそのときのお気に入りの石などを、 、
今後もご紹介させていただきたいと思っております。

※ 取り上げて欲しい宝石のリクエストなどございましたら、
お気軽にお寄せくださいませ♪



参考文献;  topページに記載