○●○ カーネリアン***もうひとつの7月&8月の誕生石 ○●○
(メールマガジン『月のしずく』2008.06.30号 記載)

◆  ま  ったりと 深い オレンジ色の
つややかな カーネリアン

奄美大島や 遠くフィジーでみた
南国の 夕焼けの色

単一の 赤橙色ではなく
いろんなオレンジがミックスされている

燃えるような夕空の色そのままに

イギリスやフランスでは、7月の誕生石に
イタリアや、ユダヤ、古代ローマ、中世スペインなどでは、
8月の誕生石に


温かく、燃える、夕日か暖炉のような、
深い色合いの中にも、
明るさ、やわらかさ、親しみやすさを感じさせる、
そんな石です。

       *  *  *

和 名>
紅玉髄
硬 度>
6.5〜7(モース硬度)
屈折率>
1.53〜1.54
比 重>
2.61
主産地>

インド、
ブラジル、ウルグアイ

色 >
赤、オレンジ
宝石ことば>
勇気、友情、明晰な思考
 

  和  名は、紅玉髄(べにぎょくずい)。

鉱物学的には、水晶と同じく、石英の一種で、
水晶が透明な石英であるのに対し、
玉髄は、半透明の石英です。

玉髄には、単純にいえば、
無地のものであるカルセドニー(玉髄)と、
主に縞のあるアゲート(瑪瑙)たち
〜縞のない場合もあり。他の変種が当てはまらないカルセドニーたちを指す〜
の二つに分けられます。

玉髄の意味で瑪瑙という変種名を使われることも多く、
これらはプロの間でもしばしば混同されている模様。。。

赤い玉髄である、カーネリアンと、
赤い瑪瑙である、レッドアゲートとの違いも、
別のものであるとしているお店もあれば、混同されているところもあり、
プロの間でもなかなか判断が難しいようです。

※ NATSUKI〜jewelry&accessory〜では、
カーネリアンと明言されていないものや、
赤瑪瑙として入ってきているものについては、レッドアゲートとしております。

NATSUKIの個人的な意見としては、
過去にさまざま見たものから鑑みるに、
カーネリアンといわれる石は、
単一でない、いろいろなオレンジが見られ、
まったりとした半透明感と、深みのある、
オレンジ系の赤橙色の石であるように感じます。

一方、レッドアゲートの方は、均一な赤い色のもの、
半透明ではあるのだけれども、カーネリアンほどの透明感はなく、
まったりというよりも、すっきり?くっきり?したほとんど赤に近い赤褐色でした。
これはこれでかわいらしい、元気な石だと思われます。
(7月の誕生石であるのはあくまでもカーネリアンなのですが)
どちらを選ぶも、あなたのお好み次第なのです。

玉髄瑪瑙には、古くから熱処理による加工が用いられている場合が多く、
古代ファラオの墓の副葬品にも熱処理された石があったとか。

もちろん自然のままの色合いのものもありますが、
どちらも一般に着色がおこなわれているそうです。
処理が完全であれば、退色などのおそれはまずない為、
これらは公認されているようです。


       *  *  *

 



    玉  髄(カルセドニー)は、
古代より、勾玉(まがたま)などの装身具(アクセサリー)として、
人々に愛され、使用されてきました。


その歴史は古く、
紀元前2500年頃のメソポタミアのウル王墓や、
エジプトの遺跡などからも、
カーネリアンのネックレスをはじめとする装飾品が
発掘されています。

インダス文明では、カーネリアンを材料とするビーズを加工し、
繁栄をきわめたことで知られているそうです。

また、扱いやすく、細工も容易な石なので、
カメオやインタリオとして、
王族や貴族たちの印章リングなどにも、玉髄が使われています。

ナポレオンやマホメットもカーネリアンでつくられた印章を
愛用していたそうです。

ナポレオンのカーネリアンの八角形の印章の話は、有名ですね。
肌身離さず身につけ、数々の遠征にも必ず持っていったという、
護符代わりのその印章は、

後に、義理の娘オルタンス(最初の妻ジョセフィーヌとその前夫との娘。
ナポレオンの弟と結婚)に譲られ、
さらには、彼女の息子でもあり、ナポレオンにとっては甥にあたる、
ナポレオン3世(ナポレオンの弟の息子)へと譲られていくのです。

彼もまたこの印章を大切にし、「護身符とするように」と息子に遺言を残し、
息子はその遺言を守り、鎖につないで常に首にかけていたといいいます。
ところが、その息子の死後、印章の行方は失われ、
現在なお、その行方は謎のままであるのだとか。
一体、どこへ行ってしまったのでしょう。。。

世界各国で産出され、
様々な色や、時に美しい縞模様のバリエーションを持つ、
玉髄は、最もポピュラーで歴史ある宝石のひとつといえるでしょう。

       *  *  *

〜カーネリアンを使ったジュエリー〜

*K18カーネリアン
<Southern Sunset〜サザン・サンセット>
ピアス&リング

*K18カーネリアン
<loving you・・・>ネックレス&リング


〜レッドアゲートを使ったジュエリー〜

*K18レッドアゲート
<月星>ピアス

  カ  ーネリアン
その語源は、
ラテン語の「新鮮」を意味する「carneolus」、
または「肉」を意味する語「carnis」によるといわれています。

カーネリアンの持つ、つやのある、深い色からか、
古来より、気力、活力を生む石として用いられてきました。

カーネリアンには失敗を防いで、
持つ人の能力を最大限に発揮できるよう導いてくれる、
そんな力があるのだそうです。

『アラビアン・ナイト』の姫君、
艶やかな ホスン・アリアムが願いをかけたのも
カーネリアンでした。

銀のリングにセットしたものは、
友情を確かなものにする効果をもたらすのだとか・・・。

勇気と情熱をあたえてくれる石といわれ
ビジネスやスポーツなど、オンもオフもがんばりたい!
そんなあなたをそっと見守り、
よりよい高みへと導いてくれる。

普段はもちろん、ここぞというときにも、身につけたい、
そんな、力強くも身近な、親しい友のような石なのです。



 



◆ お手入れ方法

ほとんどすべての宝石と同様、
カーネリアン(玉髄類)も、衝撃はとても苦手です。
日常的な衝撃にも注意してあげてください。

汗・ほこりなどには比較的強いものの、
除光液などは、苦手です。
ネイルの手入れをするような場合には必ず外すなどして、
できるだけ避けたほうがよいでしょう。

身に着けたあとは、必ず、
柔らかい布かセーム皮などで優しく拭いてください。

いつも述べておりますが、、
モース硬度というものはあくまで目安です。
モース硬度が高くても、
決して、傷つかず大丈夫という意味ではありません。

他の宝石と同様、取り扱いには充分気をつけてください。


◆ 保管方法

 他の宝石と同様、保管には充分気をつけてください。

1. 硬いものとの接触を避けて、
ひとつひとつ布でくるむか、
小分けにして保管するのが望ましい方法です。

よく見かける、
「チャック付きビニールパック」などに小分けしてもいいでしょう(イヤリング、ピアスも片方ずつ入れてください)。

2. 汗・化粧品・ほこりなどは、
ジュエリー&アクセサリーの汚れる原因のひとつです。

汗をかいた後には、
軽く水洗いし汚れを落として、
タオルなどでやさしく水気をふきとり、
よく、自然乾燥させてから保管ください。



     
誕生石 - Birth Stone -
1月 ガーネット
2月 アメシスト
3月 アクワマリン
4月 ダイヤモンド
5月 エメラルド
翡翠
6月 真珠
ムーンストーン
7月 ルビー
8月 ペリドット
9月 サファイヤ
10月 オパール
11月 トパーズ
12月 トルコ石





〜以上、メールマガジンの発行とともに、随時更新致します〜

時節や新作の石たち、
デザイナーのそのときのお気に入りの石などを、 、
今後もご紹介させていただきたいと思っております。

※ 取り上げて欲しい宝石のリクエストなどございましたら、
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参考文献;  topページに記載