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○●○ ダイヤモンド***4月の誕生石 ○●○
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<性質・歴史編> |
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(メールマガジン『月のしずく』2001.04.10号 記載)
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◆ す さまじい虹色の輝き(ファイヤ)、
無色透明の石の中に、
あらわれる七色の光、
あらゆる人々の心を捕らえて放さない、
ダイヤモンド、4月の誕生石。
* * *
ダ イヤモンドの語源は、
「アダマス(adamas-征服しがたい)」というギリシャ語から。
和名は「金剛石(こんごうせき)」で、
「金剛」とは「かたくてこわれないもの(こと)」のこと。
万物の中で最も硬く、熱にも強い、
その性質にふさわしい名前ですね。
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和 名>
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金剛石
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硬 度>
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10(モース硬度) |
屈折率>
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2.417 |
比 重>
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3.52 |
主産地>
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南アフリカ、ブラジル、
シベリア、タンザニア、
ベネズエラ、ガーナなど
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色 >
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無色、青、緑、ピンク、赤、
オレンジ、褐色、黄色 |
宝石ことば>
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不屈、純潔、清浄無垢 |
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と はいえ、実は、
ダイヤモンドも割れる事があるのです。
熱にも溶けず、酸にもアルカリにも反応せず、
何をもってしても傷1つつけることのできないこの石の、
たったひとつの弱点、
それは「劈開(へきかい)」という性質。
ダイヤモンドが硬いのは、
結晶をつくる炭素原子(そう、あの「炭」と同じ原子なのです)が
相互に堅く結びついているからです。
ダイヤモンドは、実は方向によって、
この結びつきの強さが違います。
よって、その弱い部分(8面体の面に平行)に、
外から強い力が加わると、
潔いくらいにパカっと割れてしまうのです。
しかし、この方向性のおかげで、
美しく磨く事が可能なのですから、
何が良し悪しかわかりませんね。
* * *
他 にダイヤモンドの性質として上げられるのは、「親油性」、「熱伝導性」でしょうか。
「親油性」とは、
ダイヤモンドのもつ「水をはじき、油に馴染む」性質の事。
この性質は、発掘の際にダイヤモンドをふるいわけるのに、非常に役立つものですが、
普段の生活では、油膜の汚れがつきやすいという難点となります。
指で直接石に触れただけでも、ダイヤモンドは汚れてしまうのです。
使っているうちに輝きが失せたかな?と思ったら、思いきって洗浄してみましょう。
中性洗剤をうんと薄めた水溶液と、 使い古して毛先の柔らかくなった歯ブラシがあればOK!
クリーナーよりも以外と綺麗に落ちます。
最後に真水で綺麗にすすぎましょう。
タオルでポンポンと水気を取り、自然乾燥で出来あがり。
ただし、他の石とコンピのものはその石や、
土台の金属を傷つけないように充分注意してくださいね。
* * *
ダ イヤモンドのもうひとつの性質、
「熱伝導性」は、「金属よりも優れている」ことが分かっています。
「銀(SILVER)」が、 「金属中で最も熱を伝えやすい金属である」事は、有名ですね。
ダイヤモンドの熱伝導性は、なんと、その約5倍!!
熱を加えて膨張する率も、物質中最も小さい為、
工業用ダイヤの活躍はすばらしいものです。
この性質、一見日常には関係無い事のようですが、
ダイヤモンドと類似石との見分けにも一役かっているとか。
ふたつを並べて、ふ〜っと息を吹きかけ、石の曇りの消え方が早い方がダイヤモンドだとか。
ぜひ、お手持ちの石で試して見てください。
* * *
最 も多くのジュエリーに用いられ、最も多くの人々から愛される、
「ジュエリーの王様」のような存在の「ダイヤモンド」。
実は、今日のように、ダイヤモンドが「ジュエリーの代表」とも言える存在になったのは、
案外、最近の事なのです。
昔々、ほんの数世紀前までは、
ダイヤモンドは輝きをもたない、ただの硬い石でした。
何よりも硬いというその性質上、
誰にも磨く事ができなかった為に。
ダイヤモンドの美しさの源は、何と言ってもその輝き。
磨く事の出来ないダイヤでは、
採れたそのままでも美しい色を放つ、色石達に遠く及びません。
そう、磨かれるまでのダイヤモンドは、
ジュエリーとしてよりも、
兵士や武官達が、「不屈の精神の象徴」として身に着けていました。
美しさよりも、その何にも勝る硬い性質を尊重され、
パワーの象徴、力の守護神とされていたようです。
かの有名なナポレオンも、
その剣に、ダイヤモンド(リージェント)を填め込んでいました。
15世紀半ばに、オランダの宝石職人ベルケムが、 はじめて磨く事に成功し、
17世紀末にはブリリアント・カットが発明され、
ダイヤモンドは、今日のように美しく燦然と輝く、
ジュエリーの王様になったのです。
ところで、 ベルケムは一体何でダイヤモンドを磨いたのでしょう?
答えは、ダイヤモンドの粉。
方向性によって硬さの異なるこの石の性質を生かし、
万物の中でもっとも硬いこの石を、 同じ石、ダイヤモンドで磨き上げたのでした。
* * *
ダ イヤモンドが、
こんなにも、 人々の心を捉えて放さないのは、
その「すさまじいばかりの虹色の輝き」にあると私は思います。
他の宝石と比べ、
とても高い屈折率をもつダイヤモンドは、
ラウンド・ブリリアント・カットにカットされることで、
本来持っている輝きを最大に発揮します。
よって、ダイヤモンドにおいてのカットの重要性は、
言うに及びません。
* * *
ダイヤモンドの美しさ、その価値を定める基準に、
「4C」というものがあることは、
みなさまよくご存知のことと思います。
「4C」とは、カラット(carat)、クラリティ(clarity)、
カラー(colour)、カット(cut)のことです。
カラットは大きさ。 クラリティは質。 カラーは色味。
カットは、
最高の輝きを引き出す、
「トルコウスキー・プロポーション」 に対する正確さ。
たとえ小粒でもクオリティの高いものは高価値です。
一般的に、無色透明で傷や内包物がないものほど、
ハイクオリティとされています。
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けれど・・・、
「傷を見分けることが、非常に困難」と
「とても困難」の間に、
どれほどの差があるというのでしょう。
ましてや、美しさに対する価値観は人それぞれ。
見えようが見えまいが、
「傷のない」ことが大切という人もいるでしょうし、
透明が美しいのが魅力だと言う人もいるでしょう。
大粒のダイヤモンドなんて、
一生に何度もない、買い物だというのに、
何を基準にしてよいのか、
迷うことも多いことでしょう、と、思われます。
ひとつのご参考として、
私のダイヤモンドを選ぶときの基準を、
紹介いたしますね。
* * *
私個人的には、ダイヤモンドを選ぶ基準として、
まず「カット」を上げます。
これはダイヤのもつ美しさに対して、
唯一、人間が関与できる要素です。
カットの完璧でないものは、
どんなにすばらしい石であっても、その魅力を充分に発揮できません。
何を置いてもまず「カット」!!なのです。
* * *
それから、カラー。
ファンシー・カラーという色味のダイヤを除いて、
「無色透明にどれだけ近いか」が美しさの判断となります。
そして、クラリティ。
これが一番難解で、「非常に困難」だの「やや困難だの」といって 私達を惑わせます。
「ごくごく僅か」と「ごく僅か」の違いって、う〜ん。
もうこれはニュアンスの問題ともいえるかもしれません。
輝きに影響を与えない限り、肉眼で見えない限りは、
言葉の好みの問題といっても良いでしょう。
* * *
クラリティの最高とされるのは、 「FL(フローレンス)-無傷」のダイヤモンド。
けれど、それぞれに違う、傷(フェザー)もまた味なのです。
同じ形の物はふたつとない。。。
「私のダイヤには人の形のフェザーがあるのよ」 なんて言うのも
自慢のひとつになるやも知れません。
* * *
最後に、カラット。
これを最後に持ってきたのは、
大きさと言うのは、
「大きければ良いものじゃない」と思うから。
その人の指の太さ、形に、最も合った大きさが、
一番、美しいと思われます。
私自身も、実際に見るまでは、
「1カラットじゃなきゃ嫌」なんて思っていたのに、
実際はめて見たら、
1カラットなんて成金の大伯母さまみたいで、
0.5くらいがちょうど良かった。
やや欠けるくらいのを買ったのに、
「それ1カラット?!」なんて言う友人もいるくらいだから、
人間の目というのは当てになりません。(^_^;)
そう!
その人にあった大きさの石が一番なのです。
合ってさえいれば美しく、
ともすればそれ以上に見えるものです。
* * *
近 年では、
ブラック・ダイヤモンド も人気を集めています。
ブラック・ダイヤモンドとは、ダイヤモンドの一種で、
内包するグラファイトなどにより不透明な黒色となった、ブラック・ダイヤモンド(ボルツ・ダイヤモンド)石のことをいいます。
近年、ティファニーなどの
高級宝飾店でも紹介されるようになり、
ジュエリーとしても評価されるようになりました。
漆黒の半透明から不透明のシックな色合いと、美しいテリ、ダイヤモンドならではのキラキラとした煌きは、
他の石の追随を許しません・・・!
-ブラック・ダイヤモンド-
* * *
最後に、余談ですが、購入する際のアドバイスをひとつ・・・。
特別、大きさのラインに、こだわらないならば、
「1.0カラットや0.5カラットにやや欠ける大きさのもの」
を選ぶと、お得です。
このボーダーを超えると、
驚くくらい値段が跳ねあがってしまうので。
今回、お話しましたのは、
基本的にリングの選び方ですが、
ネックレスの場合はリングと違って、
一般に、質よりも大きさが重視されています。
それ程、近くに寄って見ないためでしょうね。
そういったアイテム別の選び方も、
またひとつの手段だと思います。
* * *
大 切なのは輝き、そして貴方に合った大きさ。
ジュエリーの美しさは、貴方によって見いだすものです。
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〜ダイヤモンドをつかったジュエリー〜
◇K18ブラック・ダイヤモンド<砂漠の夜>ピアス
http://natsuki.to/catalog/G-158-1-p.htm
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- ダ イヤモンドは不変の愛の象徴 -
「若い男性にとって婚約指輪は大きな問題である。
予算が許す最高の指輪であり、
しかも、婚約者が気に入る指輪でなくてはならない。
-中略-
予算内で買える、
一番大きなひとつ石のダイヤモンド・リングが スタンダードな婚約指輪とされている」
by 『ウェディング・リング』 R.アッカーマン発行
今でこそ、王道とも言える、
ダイヤモンドの婚約指輪。
けれど、その歴史は以外にも浅く、
実は15世紀の後半になってからのこと。
古代ローマ時代には、
婚約指輪は何の飾りもない鉄の輪でした。
「結婚の約束」を公に誓うものとして、
「輪廻」と「永遠」の象徴である、
指輪を贈ることが伝統であったとか。
2世紀にはいると、
鉄の変わりに金が使われるようになりました。
(今でも、ヨーロッパやアメリカのマリッジ・リング(結婚指輪)の多くは GOLD(金)です。 日本ではPt(プラチナ)が主流ですが。)
15世紀になってようやく、
お待ちかねの「ダイヤモンドの婚約指輪」が登場します。
指輪のもつ「永遠」の意味を更に強調する為、
同じ意味をもつ、
ダイヤモンドが 好んで用いられるようになったのです。
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当時、マキシミリアン大公が、
ブルゴーニュ公女マリーと結婚する直前に送られた手紙には、
「婚礼の際、殿下はダイヤモンドのついた指輪と
金の指輪を おもちにならなければなりません。」
と書かれています。
けれど当時のダイヤモンドは天然の結晶体のまま。
ふたつのピラミッドを底面で合わせたような、8面体です。
下半分(悪を象徴すると考えられていた)をかくし、
上半分だけを覗かせたデザインが主流でした。
(マリーの指輪はかまぼこM型でしたが)
これがダイヤモンド・エンゲージリングの始まりです。
その後、 20世紀になって、
ラウンド・ブリリアント・カットが発明され、
1890年頃に、ニューヨークのティファニーによって、
その美しさを最大限にあらわせる「ティファニー・セッティング」が開発され、
現在の形になりました。
現在では、婚約指輪のそのほとんどが、
ダイヤモンドとなっています。
まれに色石を使ったジュエリーも用いられたりもしますが、
やはり、ダイヤが「不動の人気」であることは否めません。
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◆ お手入れ方法
「親油性」という性質をもつダイヤモンドは、
日常生活での、油膜の汚れがつきやすいという難点を持っています。
指で直接石に触れただけでも、ダイヤモンドは汚れてしまうのです。
使っているうちに輝きが失せたな、と思ったら、思いきって洗浄してみましょう。
中性洗剤をうんと薄めた水溶液に(濃さに要注意です)
使い古して毛先の柔らかくなった歯ブラシをひたして、
表から裏から 軽くブラッシングしてください。
クリーナーよりも以外と綺麗に落ちます。
最後に真水で綺麗にすすぎます。
タオルでポンポンと水気を取り、自然乾燥で出来あがり。
※ ただし、他の石とコンピのものはその石や、
土台の金属を傷つけないように充分注意してください。 |
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◆ 保管方法
1. 他のジュエリーを傷つけてしまう恐れがあるので、
保管はひとつひとつ布でくるむか、
小分けにして保管するのが望ましい方法です。
ダイヤ同士で傷つけ合ってしまうこともありますので、
ピアスなども片方ずつ、お互いがぶつからないように保管ください。
2. いずれの宝石でも、強い衝撃は避けるべきですが、
ダイヤモンドは劈開が完全な石ですので、強い衝撃で割れる可能性があります 。
気をつけてください。
3. お手入れの後は、よく乾燥(自然乾燥)させてから保管ください。
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